2019年11月28日

月刊ウェイスト・リサーチ 2019年10月号内容紹介


特集 4月導入予定も不透明 レジ袋有料化の検討始まる 実施時期巡りかみあわず
「レジ袋有料化義務化」の検討が始まった。環境省と経済産業省の検討会合同会議は、9月26日に第1回目が、10月11日に2回目が開かれた。いずれもレジ袋に関連する業界団体のヒアリングとそれを受けての委員の議論という展開。国はオリンピック開催を視野に来年4月1日から有料化義務化を実施したい意向だ。これに対して業界団体は、準備期間があまりにも少なすぎる。消費者の混乱を招くとして一斉に反発。実施時期は少し先送りになる公算が強まっている。3回目からは中間整理に向けた議論が始まるが、課題も多い。
9月26日の第1回合同会合では、制度見直しの骨子(案)を経産省が説明した。プラスチック製買物袋の有料化の義務づけについては、容リ法の第7条の4第1項に、小売事業を行う際に容器包装の合理化が義務付けられている。具体的には、@容器包装の有料化や、A容器包装を利用しない場合のポイント還元など4項目が位置付けられている。今回は省令の中で@について義務づけていく考え。有料化義務付けの対象となる買物袋は、消費者が商品の購入に際し商品を持ち運ぶために用いるプラスチック製の袋とし、例えば衛生管理の観点から極めて薄手の袋(鮮魚や精肉を入れるいわゆるロール袋等)は対象外とする。また、海洋生分解性プラスチック袋、バイオマスプラスチックを用いた袋、一定以上厚みがあり繰り返し使用可能な袋――などは有料化を実施しているEUの例などを参考としつつ義務付け対象外とする考えを示している。
有料化については、プラスチック買物袋の価格設定を各事業者自ら設定するものとし、有料袋の売り上げの使途についても各事業者が自ら設定すべきとしている。また、対象業種は競争上の不公平を生じないよう、あらゆる業種や規模にかかわらず一律に対象とすることが適切とする一方で、中小・小規模事業者への必要な措置を講じるべきとしている。実施時期については早ければオリンピック開催を前にした来年4月1日の施行を……

◆PCB ‐PCB適正処理推進検討委 処理対象PCB廃棄物を拡大 関係法令など一部改正‐ 環境省は10月16日、都内で「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」(座長:永田勝也早稲田大学名誉教授)を開催した。橋梁などの塗装に使用されている塗膜や感圧複写紙、汚泥等の可燃性PCB廃棄物(PCB濃度0.5%〜10%)が存在しており今後もさらに増加していく可能性があることから、これらを無害化処理認定施設での処理対象に拡大し、処理体制を構築するため制度改正を行う。検討委員会での審議結果をパブリックコメントにかけ、関係法令の一部改正と基本計画の改訂、閣議決定を経て令和2年度からの処理を想定している。

◆自治体 ‐東京都廃棄物審議会 プラ施策のあり方を答申 当面の廃プラ対策盛り込む‐ 東京都の廃棄物審議会(委員長・安井至持続性推進機構理事長)は、昨年8月に東京都知事から諮問を受けた「プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方」についてこれまで審議してきたが、10月8日の会合で取りまとめ最終答申を提出した。当面、都が取り組むプラ対策としては、レジ袋有料化によるワンウェイプラの削減、再生プラ・バイオマスプラの利用促進など国の「プラスチック資源循環戦略」と重なる部分は多いが、当面の対策として事業者による廃プラ回収の仕組みの構築支援、事業系廃プラのリサイクル推進などに独自性がみられる。

◆食品ロス ‐市町村は削減計画を策定 食品ロス削減推進法が施行 関係者の連携協力で推進‐ 「食品ロスの削減の推進に関する法律」が10月1日から施行された。同法は今年5月に超党派の議員による議員立法で成立した。食品ロスの削減に関して、国、地方公共団体の責務を明らかにし、都道府県・市町村は食品ロス削減推進計画を策定するなど、関係者相互の連携協力のもと食品ロスの削減を総合的に推進していくことを目的にしている。法施行(第9条)により毎年10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」に定められた。

◆通 知 ‐大雨による災害により 一般廃棄物処理の特例省令 環境省が10月1日施行‐ 環境省は、令和元年8月から9月の活発な前線に伴う大雨(台風10号、13号および15号を含む)による災害により、とくに必要となった一般廃棄物の処理について、有害物質を含む廃棄物が付着・混入しないように分別等の措置が講じられたものを処理する場合に限り、都道府県知事に届け出することにより、安定型最終処分場を一般廃棄物最終処分場とみなすことができる特例措置を講ずる。環境省令で定める一般廃棄物の特例に関する省令が、令和元年10月1日に公布され、同日施行された。都道府県および政令市の廃棄物行政主管部長宛に通知した。

◆時の話題‐ 一般廃棄物処理の新機軸18 排出量が少ない事業系の例 専用指定袋で許可業者収運‐ 先月号で埼玉県「幸手市」(及び隣接する杉戸町)が実施している有料指定袋による事業系ごみの処理について書いた。排出事業者が購入する有料指定袋の価格は、ごみを受け入れる自治体の焼却施設での処分費に相当するもの。許可業者の収集運搬費用はそれとは別に業者と排出事業者の間でとり決めることになる。こうした中で東京都立川市は、ごみの排出量が少ない小規模事業者を対象に専用有料指定袋での処理方式を導入している。小規模事業者がごみを入れた専用指定袋は許可業者が収集運搬をするが、この袋の価格には収集運搬料金と処分費(焼却費)の両方が含まれている。参考のために記す。

◆視 点 ‐この業界は今後どうなるD 「地域循環共生圏」の形成へ 地域循環圏を一歩前進‐ 平成30年6月に閣議決定された「第四次循環基本計画」の中に、ごみ処理・リサイクル業界が今後進むべき方向が示唆されていると書いた。この100ページにも及ぶ文書の中に『地域循環共生圏』という言葉がしばしば使われている。「地域循環圏」に「共生」という文字が入っている。じつはこの「地域循環共生圏」という考えは、循環基本法の上に位置し平成30年4月に閣議決定された「第五次環境基本計画」で提唱された概念だ。「第四次循環基本計画」では循環分野からアプローチしてこの「地域循環共生圏」を形成する方向を示している。

◆表彰式 ‐資源循環・システム表彰 経産大臣賞に東京エコなど 合計8件12社が受賞‐ 産業環境管理協会は10月18日、東京港区の機械振興会館において令和元年度「リサイクル技術開発本多賞」と「資源循環技術・システム表彰」の表彰式を開催した。今年度で24回目となる本多賞受賞が2件、また45回目を迎えるシステム表彰では経済産業大臣賞に東京エコリサイクル鰍ネど1件3社、このほか経産省環境局長賞などを含めて合計8件12社が受賞。表彰式に続いて受賞内容の事例発表が行われた。100%リサイクルパレットの製造、太陽光パネルのリサイクル、使用済みPETボトルの水平リサイクルなども受賞した。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界44 廃棄物管理業って何だろう 民間で資格を決めるのか‐ 「廃棄物管理業」というのがあるようだ。管理業の資格があって、認定試験に合格すれば資格を取得できるという。ただし、これは公的な機関が試験を実施して合格者に資格を与えるのではなく、あくまで民間団体が行っているものだ。世の中には様々な「資格」がある。そしてその資格が社会にとって本当に有意義で必要とされるものなら、必ず公的機関が関与している。民間がやると資格の「裏付け」がないし、何かあった場合の責任の取りようがない。雑な作りで数ばかりたくさん作るという「粗製濫造」(そせいらんぞう)につながりかねないという懸念もあるからだ。

◆記者説明会 ‐スチール缶リサイクル協会 リサイクル率92.0%と堅調 2018年度の実績など報告‐ スチール缶リサイクル協会(理事長・中村真一日本製鉄代表取締役副社長)は10月9日、中央区の鉄鋼会館で記者説明会を開催し、2018年度のスチール缶リサイクル率やリデュース率の実績、同協会の事業活動などについて報告した。リサイクル率は前年度比1.4ポイント下落したものの第3次自主行動計画の数値目標「リサイクル率90%以上維持」を達成しており堅調に推移。リデュース率も1缶あたり7.29%の軽量化となった。
 
◆読者からの声 この異常気象は地球温暖化が原因なのだろうか? との問いかけがあった。

◆廃プラ輸出 8月輸出は6.9万t、前年同月比微増

◆情報ファイル 東京都がホームページ開設、廃プラ緊急対策と相談窓口

◆リサイクルマーケット
鉄くず:鉄スクラップ市場、下げ基調止まらず
古 紙:余剰が社会問題になった20年前の再現か
故繊維:カンボジア向け中古衣料期待できるかも
容 器:ダンボールの需要いまひとつ振るわない
カレット:銭湯でガラスびん国産クラフトビールを
ニュース:「地域循環共生圏」実践地域登録制度開始 ほか





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2019年10月25日

月刊ウェイスト・リサーチ 2019年9月号内容紹介

特集 PETボトルの容リ入札結果 下期落札単価はトン4万円 上期に比べ7000円上昇
容器包装リサイクル制度に基づく令和元年度下期のPETボトル落札結果がこのほど、容リ協会から発表された。落札単価は上期よりトン約7000円高い4万円となった。中国の廃プラ禁輸によりPETボトルも事業系を中心に余剰化するのではとの観測が流れていたが、それどころか品質のいいボトルは足りないという声も。高機能繊維やボトルtoボトル(BtoB)などによる需要増が背景にあり、それを裏付ける落札単価の上昇といえるだろう。ただ、量を獲得しているのは価格対応力に強い業者に偏っており、その傾向は年を追うごとに鮮明化している。
令和元年度下期(10月〜翌年3月)のPETボトルの落札平均単価はトン4万0480円となった。上期は3万2601円だったので、上期に比べ6879円の上昇となる。これは有償、逆有償を合わせた平均で、有償分だけだと4万4599円と約4万4600円だ。年度の通期では3万6697円。前年度比3300円ほど高くなったことになる。PETボトル産業の関係者は「再生PETがやや高くなっても今さら買えないとは言えない。そうはいっても高くは買えない。バージンとの価格差が出てくる。再生PETの価格は、今は一時いいだけ。メーカーの資材の連中がいつまでこんな価格で買いますよというはずがない」とバージン樹脂との見合いで再生PETの価格は今後下がっていくだろうと予測する。
中国の禁輸によって汚れがきつい事業系ボトルが余るだろうという見方は外れ、国内でPETボトルが余剰化しているという話も聞かない。それどころか品質のいいボトルはやや足りないとの声も聞かれる。再生PETボトルの用途に広がりが見られ、需要が高まっているからだ。

循環型社会 ‐中環審循環型社会部会 災廃処理体制構築を審議 処理計画策定率向上が課題‐ 中央環境審議会循環型社会部会(部会長・酒井伸一京都大学教授)は9月12日、今年度2回目となる会合を開催した。議題は第五次環境基本計画の点検の進め方と、第四次循環基本計画の中の重点分野の柱のひとつである「万全な災害廃棄物処理体制の構築」。とくに最近、災害が頻発していることもあり今回の会合では災害廃棄物処理体制の構築について絞り込んで審議が行われた。自治体の災害廃棄物処理計画策定率は、中小の市町村で低い。計画策定率を高めるにはどうするかが取り上げられた。

廃プラ対策 ‐環境省が省令を改正 廃プラの保管量上限を倍増 優良認定産廃業者が対象‐ 環境省は優良認定を受けた産業廃棄物処分業者について、廃プラの保管量の上限を現行の14日分から2倍の28日分へと倍増する省令改正を行った。中国の固形廃棄物禁輸により、日本国内での廃プラ処理がひっ迫していることへの対応。省令改正については本年6月27日から7月27日までの約1カ月間、パブリックコメントに付して意見募集を行った。施行期日は本年9月4日、公布日同日施行。

再生資源 ‐中国変調、国内も不振 古紙市況、危機的状況に 段古紙中心に膨らむ在庫‐ 古紙市況が秋になっても回復の兆しが見られず、むしろ悪化に向っている気配だ。今年に入り中国向け輸出が大きく減少。価格も6月から大幅に下落している。国内はというと段ボールを中心に6月あたりからメーカーは発注をカットしはじめた。その結果、問屋は大量の在庫を抱える状況に。市況悪化により問屋は仕入れ値を下げているが、仕入れを下げても在庫は溜まっていき、根本的な解決にはつながらない。サブディーラー(二次問屋)の中にはお互い連携したり、あるいはヤードを閉鎖するという動きも出はじめているようだ。古紙市況は危機的状況を迎えている。

要望書 ‐全国都市清掃会議 環境省、経産省などに要望 財政措置の拡充など4項目‐ (公社)全国都市清掃会議(全都清・会長:福山一男横浜市資源循環局長)は、令和元年5月23日開催の定時総会において決議された財政措置の強化拡充やリサイクル関連法の推進などを含め大きく4項目からなる要望事項を要望書としてとりまとめ、このほど環境省、経産省、自民党に対し要望書の提出および意見交換を行った。

データ ‐平成30年度多摩地域ごみ量 前年度比0.4万トンの減少 総じて微減傾向が続く‐ (公財)東京市町村自治調査会はこのほど、平成30年度の多摩地域 (30市町村・総人口422万7000人)のごみ実態調査を公表した。ごみ量は家庭ごみ・持込ごみを合わせた総量で前年度比4000トン減の104万8000トンとなった。率にして0.4ポイントの低下。家庭系ごみが減少し、事業系中心の持込みごみは横ばいだった。平成17年以降ごみ量は総じて減少傾向を示している。いっとき横ばいになっても1〜2年すると再び減っていくというパターンが見られる。

時の話題‐ 一般廃棄物処理の新機軸17 事業系ごみを指定袋で処理 埼玉県の自治体の例‐ この欄を2〜3カ月「お休み」にする。排出事業者に有料指定ごみ袋を購入してもらい、この袋でごみを出してもらう。袋の代金には許可業者の収集運搬費用と焼却施設での処分費が含まれている。これまでにない斬新な「プラン」だ。小誌はプランの概要をざっくり書いてきたわけだが、これを読んだ方々から様々な反応があった。その反応や声があちこちに拡散し始めているようで、一部では考えもつかない事態になりかかった。プランはある自治体に提案するところまで来ている。非常に微妙な時期に差しかかった。しばらくの間いじらず、じっと動向を見守りたい。で、今回は読者から袋収集について情報が寄せられた埼玉県幸手市の例を記す。本題からは少しずれるが。

バイオマス ‐平成30年木質バイオ利用動向 木材チップ利用量は930万トン 前年比58万トンの増加‐ 平成30年に木質バイオマスエネルギーとして利用された木質チップの量は、全体で約930.4万トンに達し、前年比6.6%の増加となった。このうち間伐材・林地残材等に由来するものは274.5万トンで同4.2%増えた。林野庁がこのほど公表した「平成30年バイオマスエネルギー利用動向調査」の結果(速報)で明らかになった。地球温暖化問題から再生エネルギーへの需要が高まっており、FIT(固定各買取り制度)が導入されたことで再生エネの発電施設建設に弾みがついた。木質チップの利用も増えつつある。

ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界43 管理会社、入札あきらめる 段古紙価格暴落で思惑狂う‐ 「だから言ったのに」といった声がどこからか聞こえてきそうだ。チェーン展開する1都3県のスーパーから排出される段ボール古紙を、入札により一番高い価格をつけた業者に渡す。スーパーにとっては利益が増すからこんないいことはない――。こうしてある管理会社がスーパーに食い込んだ。が、中国が日本からの段古紙輸入価格を大幅に引き下げ、かつ数量も大きくカットしたことで、落札した業者が段古紙を引取りに来なくなってしまった。この管理会社は今後、入札を行わないという情報が流れている。入札導入を切り口に業務を拡大しようとした管理会社の目論見に狂いが生じたといえようか。

読者からの声 廃プラのアンケート結果から、市町村受け入れは無理ではないかとの意見が。

視 点 ‐この業界は今後どうなるC イノベを取り入れた未来社会 循環基本計画でもイメージ‐ 循環型社会の形成を目指す国の計画である「循環基本計画」の中で、繰り返し出てくる言葉がある。「人口減少」と「少子高齢化」だ。人口が減っていくうえに、出生率低下により子供の数が少なくなる反面、高齢者が増えていく社会。循環基本計画ではこうした状況にありながら中期的な成長を実現するには、AIやロボットなどの技術を活用した経済社会のイノベーションをあらゆる産業や社会生活に取り入れることで様々な社会課題を解決する「Society5.0(ソサエティーゴーテンゼロ)」の実現に向かっていくと未来社会の姿をイメージし、このことは循環型社会の形成にもつながっていくとしている。

廃プラ輸出 7月の輸出は7.6万t、前年同月比0.9万t減。

リサイクルマーケット
鉄くず:鉄スクラップ続落、世界景気減速反映
古 紙:秋需空振りの公算、新聞、段古紙不調
故繊維:中国ごみ分別促進、古着市場に変化も
容 器:1.8ℓびん回収率上昇も80%の手前に
カレット:取組み方法で差が出る基準適合物の質






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2019年09月27日

月刊ウェイスト・リサーチ 2019年8月号内容紹介

特集 経産省・環境省の合同会合 苦戦続く小電リサイクル 採算面や廃プラ処理なども
今年度第2回目となる経産省・環境省合同による小型家電リサイクル制度の会合が8月9日開催された。今回は関係者13団体からの取組みに関するヒアリングが行われた。なかでも自治体およびリサイクル認定事業者の取組み状況からは、小型家電リサイクルを進める上で採算が非常に厳しい状況に陥っていることや、とくに認定事業者からは採算面に加えて廃プラの処理、リチウム電池による火災の発生などの課題も報告されるなど課題が浮き彫りとなった。
ヒアリング対象団体は、自治体から名古屋市、小金井市、リサイクル認定事業者が2社、さらに大手家電流通やメーカー関係など13団体。名古屋市は、小型家電リサイクル法施行後すぐに環境省へ実証事業の公募申請を行い、採択されたことで平成26年2月から回収を開始した。回収方法は持ち去り対策などから市内58カ所に回収ボックスを設置しての「ボックス回収」。スタートした平成26年度は約111トンの回収実績だったが、平成30年度は約166トンと増加。しかし、契約単価は平成28年度から「逆有償」になっており、今では市のごみ総処理原価(s58円)と同額に近い。またリチウムイオン電池が原因と考えられる発火事故が平成30年度は43件発生している。「事業を継続していくには自治体の負担軽減が必要。製造・販売事業者がコスト負担する制度が望ましい。小型充電式電池は事業者による回収・処理体制が必要ではないか」(名古屋市)。
リサイクル認定事業者の金城産業(松山市)が報告に立った。「破砕選別技術もあるので小電リサイクルを手掛けた。四国の中で地産地消をと思った」(同社金城正信氏)。同社は金属スクラップを中心とした総合リサイクル業。その歴史は古い。小電リサイクルは2013年に認定業者になり取組みがはじまる。回収や持込まれた小型家電は、事前選別・手分解でリチウム電池などを取り外す。このあと機械による破砕・選別が2段階で行われるという処理フロー。処理にあたっての課題は発生する「廃プラ」と「電池」。「廃プラは55%を占める。マテリアルをやりたいが困難を極める。木くずや繊維くずを使っているものが多い。高純度のプラにしないとコンパウンドメーカーは使ってくれない。今後これに取り組んでいく。ただプラを高度に選別しても使ってくれなければ何にもならない」と金城氏。また「リチウム電池が原因と思われる火災が今年度発生し、市民に迷惑かけた」と述べた。「アルミ」「鉄」「プラスチック」ともに市況は大きく下落しており、電池を外す前処理は非常に難しい。小電リサイクル事業は採算割れ状態が続いていると語った。

環境施策 ‐全国廃・リ課長会議開催 廃プラ、災廃、施設整備など 各担当者がポイントを説明‐ 環境省は8月1日、都内で「全国廃棄物・リサイクル行政主管課長会議」を開催した。廃棄物・リサイクル対策の現状や国の施策、方向性などについて全国の都道府県及び政令市の担当者に説明するとともに協力を要請するもの。会議では、循環型社会、リサイクル、一般廃棄物、災害廃棄物、浄化槽、産業廃棄物などについてそれぞれの担当者が駆け足でポイントを説明した。項目は多岐にわたるが、なかでも環境再生・資源循環局の山本局長が冒頭のあいさつの中で述べた災害廃棄物、廃プラスチック、施設整備関係の3点が今回の要点といえそうだ。

◆再生資源 ‐本年上期の再生資源輸出 雑品の中国市場ほぼ消滅 段古紙の動向は不透明‐ 財務省から本年6月の通関統計が出されたことで、今年上半期(1〜6月)の日本からの再生資源輸出量などが明らかになった。いうまでもなく、再生資源の輸出はこれまで中国に頼ってきたわけだが、本年上半期の特質としては、中国向け「雑品スクラップ」がほとんど出荷されず、消滅に近い状態になったことだ。また「廃プラ」は2017年末に中国は禁輸としたが、それに替わって東南アジアを中心に出されるようになった。さらに「段ボール古紙」の中国向けは6月から急変している。

◆匿名インタビュー ‐変化していく廃プラ輸出 徐々に国内資源化にシフト 設備投資が増えつつある‐ 日本国内の廃プラ処理に変化が見えつつある。廃プラのマテリアルリサイクルを進めるため高度化設備の導入に踏み切る業者が増えてきた。廃プラ輸出に量的な限界が見えてきた。国内に回帰した廃プラによって処理施設はどこも満杯状態で価格も高騰している。処理が思うに任せない。この先、廃プラ関係の業を続けていくとしたらマテリアルリサイクル、それも質のよい再生素材をつくって提供していくしか道はない――。そのため高度化設備の設備投資が必然的に生まれているというわけだ。廃プラを扱うH氏に話を聞いた。

アンケート@ ‐産廃プラの受入れ 困難とする意見が大半 関東圏の市町村の場合‐ 全日本一般廃棄物収集運搬協同組合(全廃協・十河宏行理事長)はこのほど、先に環境省が通知を発出した市町村への産廃プラの処理受入れ要請について、関東圏の市町村にアンケート調査を実施した。アンケート項目は環境省の通知にある「あわせ産廃」としての処理を検討しているか否か。受入れ予定の可否。受け入れしない場合はその理由など数項目。アンケートの結果からは、「検討したが処理能力からして受け入れは困難」とする姿勢が大半を占めているといえるようだ。
◆アンケートA ‐全国産業資源循環連 新規問い合わせ、受け入れ増加 会員対象に廃プラの調査‐ (公財)全国産業資源循環連合会(永井良一会長)はこのほど、国内における資源循環に課題がある廃プラ類に関する会員企業への影響を確認するため、廃プラ類の受入れ等に関するアンケート調査を行った。これは2019年度温室効果ガス排出量等実態調査に追加して行ったもの。調査対象は「廃プラ類」の取扱い許可品目を取得しており、処理を行っている実績がある会員企業。全国的にみて廃プラの受け入れに関する新規問い合わせが増えており、受入れ量も増加。塩素分の高い廃プラ、雑品スクラップの破砕物などが問い合わせ、受け入れで増えている。

◆読者からの声 日韓のいざこざの影響が廃棄物・リサイクル業界にも及んでいる。何かすっきりしないという意見。

◆時の話題‐ 一般廃棄物処理の新機軸16 排出事業者にもメリット 読者の問い合わせに応答‐ 8月の初旬。読者の方から電話があった。小誌7月号のこの項についての問い合わせだった。ちょうど出かける寸前の電話だったので、あまり長くは話せなかった。「このプランはどこの市町村に提出するのか」「処理料金は法律で決まっているので一律化はできない」「(一律化は)独禁法に抵触するのではないか」「排出事業者にメリットはあるのか」。問い合わせはたしかこのような内容だったかと。これ、「読者からの声」の欄に書こうと思ったけれど、この場所のほうがはまるだろうということで、問い合わせに答える形で少し触れたい。

◆視 点 ‐この業界は今後どうな➂ 循環基本計画に見る方向性 いくつものキーワード‐ 先月号で「第四次循環型社会形成推進基本計画」(循環基本計画)の最初の部分のエッセンスを少し取り上げた。循環基本計画の文書それ自体はボリュームにして90ページもあるので全てに目を通して理解するのは難しい。しかしところどころに今後、ごみ処理・リサイクル業界が進むべき方向性の「ヒント」「キーワード」が見て取れる。いまさら言うまでもないが循環基本計画は、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される「循環型社会」を形成することを目指す国の計画だ。ごみ処理・リサイクル業界もこの国の計画に組み込まれる。

◆ズームイン ‐事業系一般廃棄物業界42 東と西、管理会社彼我の差 地域特性による面も‐ これまで廃棄物「管理会社」のことは散々書いてきた。管理会社といっても様々ある。が、その中身はというと排出事業者の代理人として入ってきて、処理業者から処理料金をピンハネする目的の管理会社がほとんどだ。「仲介業者」とも「ブローカー」とも呼ばれているこうした管理会社だが、どのようにして処理業者に仕事を回している(というかやらせている)のか、関東と関西では地域特性もあり少々色合いが違うようだ。とくに関西から流れてくる話は、これじゃ業者は気の毒だなと思うような状況も。

◆廃プラ輸出 6月の輸出は8.6万t、前年同月比1.2万t減。半年間で17%減

◆情報ファイル 
・リサイクルデータブック2019
・高齢者のごみ出し支援モデル事業公募

◆リサイクルマーケット
鉄くず:横ばい基調も韓国が放射線検査強化
古 紙:新聞古紙の動き鈍い回収業界にも影響
故繊維:上期の中古衣料輸出、前年比1万t増
容 器:米国に輸出されているPETフレーク
カレット:ガラスびん3R推進協、自治体のR調査
ニュース:食品マネジメント研修会 ほか


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